【体位⑨】支えられた全身の体位
⑨ 支えられた全身の体位:サーランバサルヴァンガ・アーサナ
前屈の締付に加え、胸椎と頸椎の間周辺の伸張刺激を強化する体位である。身体を逆転させて前屈することが特徴である。
支えられた全身の体位の意図は、胸椎と頸椎の間周辺のバランスを図ることである。また、鋤の体位への準備段階である。
注意
※ 頭に血が上る体位であるため、血圧や眼圧が高めの人は控えること
※ 体位後に気分が悪くなる人は、とりあえず以後の練習は控えること
※ 力づくや、勢いづけなければ、骨盤が拳上できない人は控えること
※ バランスが取れるようになるまでは手で背を支える形体で行うこと
では、支えられた全身の体位の一連の流れを見ていきます。
1.準備過程
1.仰臥する
2.脚は閉じ、踵底内側の引入(足首の底屈)
3.腕は形式通り
4.顔は形式通り
5.適度に徐々に、息を吸いきる
6.適度に徐々に、息を吐ききる
2.締付過程
7.前屈 → 脚の挙上(吸息)
前屈して頭と脚を浮かせてから、脚を上げていきます。
8.骨盤の挙上(吐息)
手指を立てて手指の方向を、前内から前へと変化させながら、腰を上げていきます。
9.前屈 + 腕の後方移動 + 脚の挙上(吸息)
10.締付の維持(呼吸)
11.締付の強化(3呼吸目)
12.締付の極化(止息)
脚を閉じようと意図してはいけません。
無意図に締付しやすい脚幅を見つけましょう。
13.脚の返戻(呼息)
14.腰の返戻(呼息)
手指を立てて手指の方向を、前から前内に変化させながら、腰を降ろしていきます。
15.脚の返戻(呼息)
前屈したまま、脚を下げていきます。
3.脱力過程
16.体位の解放(吸息)
17.脱力の強化(呼吸)
18.締付の極化(止息)
19.休息する
足幅を肩幅にしようとか、手幅をこれくらいにしようとか、手のひらを上に向けようとか下に向けようとか、顔を上に向けようとか意図してはいけません。
無意図に落ち着く姿勢を見つけましょう。
過誤体位
注意
一般的な形体のように脚を閉じようとしたり、手を背中に当てていては、前屈をするための筋力とぶつかり合うため締付は極まらない。
無駄を取り除いた、無理のない体位を修習していきましょう。